院長がYouTubeを本格的に開始!

糖尿病・高血圧・脂質異常症について随時アップしていく予定です。
まずはこちらの「結局、糖尿病とはどんな病気?」の動画をご覧頂き、糖尿病の仕組みや当院の考え方について参考にして頂けますと幸いです。

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糖尿病とは

 糖尿病は世界中で増加しており、心筋梗塞・脳梗塞・腎不全(透析)などの大きな要因となる疾患です。2型糖尿病→1型糖尿病→妊娠糖尿病の順番で専門用語をなるべく使わず解説致します。

 結論から申し上げますと、「膵臓が元気な間に、つまり血糖値がそこまで上がっていない状態の段階で、糖尿病クリニックを受診することで膵臓の元気度は保たれる。」となります。

2型糖尿病とは?

2型糖尿病とは?

 2型糖尿病の主な原因は肥満です。また、過去の肥満時代、遺伝、ステロイド(関節リウマチなどで使う免疫抑制剤)などの薬剤も要因となります。

 まずは肥満で、何故糖尿病となるのか?

 肥満では当然脂肪が多くなりますが脂肪の中でも、お腹ぽっこりとなる内臓脂肪が糖尿病になりやすいとされています。

 脂肪は、膵臓から出ている血糖値を下げるホルモンのインスリンの邪魔をします。つまり、脂肪はインスリンの「大敵」ということになります。「インスリン vs 脂肪の戦い」が毎日、毎日体の中で行われてます。

 やや肥満のときは、脂肪がまだちょっとしか邪魔をしてきません。ですので、膵臓はちょっとインスリンをいつもよりアクセルを踏んで多めに出すことで勝利、つまり血糖値は正常に保たれます。

 しかし脂肪がかなり増加してくると、脂肪の邪魔レベルが最強となります。そうなると、膵臓は「脂肪に勝つために、血糖値を下げなければ!インスリンを出すぞ!」と軽くアクセルを踏んでいる状態から、アクセルを最大に踏んでインスリンを大量に出すことで、ギリギリのところで脂肪に打ち勝つのです。ここまでが、「なんとか糖尿病を発症していない(糖尿病予備軍)段階です。

 その先は、ご想像の通り膵臓と言う名のエンジンがオーバーヒートしてしまいアクセルを最大限に踏んでいるのにも関わらずインスリンが出なくなります。アクセル全開で時速30km/時しか速度が出せない状態となります。この段階で初めて「2型糖尿病」を発症します。

 なので、日々糖尿病診療をしている先生方は「痩せて下さい」と説明をするわけです。

 ここまでの解説で「脂肪に勝つ戦略」は、糖尿病の理屈を知ってしまえばシンプルです。

  1. 脂肪の邪魔レベルを取る。最初は、自分ができる限り食事制限やウォーキングなどで血糖値がどれだけ下がるのかを経過をみます。
  2. 脂肪の邪魔レベルが取れた上で血糖値がまだ正常ではないとなれば、インスリンを少し多めに出す安全なお薬をご提案します。
  3. 尿から直接、糖質を出す最新のお薬で脂肪を減らしていこう作戦で、根本から敵である脂肪を削ぎ落とします。(膀胱炎を繰り返している人は適宜考えます。)
  4. 最新の安全なお薬で食欲を丁度よいレベルに落とす作戦。胃腸の動きをあえてゆっくりにすることで、満腹感が持続します。(暴食をしなければ、かなり効果的な最新のお薬となります。)
  5. この段階で、血糖値が下がらない場合は2週間程度の入院で効率的に血糖を下げる事をオススメし、健康寿命の延長に繋げます。

 以上のことから、まず患者様と医師である私とチーム一丸となり治療すれば血糖値は低下します。

 最後にしつこいようですが、「血糖値は早めに下げて膵臓を休ませてあげて、その間にダイエットや食事の改善に取り組む」。

 これが、最適な答えとなります。

何度も車に例えて申し訳ないとは思いますが、車検は定期的に守るのにも関わらず健康診断の結果が異常値がでてきても病院に来られないのは、不思議と思います。

 健康診断の異常値を放置することがどれだけ危険なことかを周知できていない、私達 医療従事者の責任と日々感じます。

 怖いことはありません。心筋梗塞・脳梗塞・透析などになる、つまりエンジンが故障する前にキレイなガソリンつまり、血液にすることが何より大事な事です。

 ささやかなお手伝いしか出来ません。しかし、重大なことなのでここに記載させて頂きました。

 少しでも異常値がでましたらご遠慮なく、お越しください。

 頭ごなしに怒ったりしないです。そんな医療が正しくないと分かっているからです。

 是非、肩の力を抜いてご来院ください。

スタッフ一同より